以下は、アメリカで自家用飛行機免許(Private Pilot License: PPL)を取得するまでのステップや必要な条件、ビザ手続き、訓練校の選び方、そして私自身の体験談を交えたガイドです。
自家用飛行機免許(PPL)とは?
自家用飛行機免許(Private Pilot License/PPL)は、FAA(アメリカ連邦航空局)が認定するライセンスです。
現在、航空会社でパイロットとして活躍している方も、まずはこの自家用免許からキャリアをスタートしています。
PPLを取得すると、プロペラ機を単独で操縦できるようになります。友人や家族を乗せることも可能ですが、報酬を受け取ることはできません(燃料代や駐機代の割り勘はOKです)。
「自家用」というと簡単に聞こえるかもしれませんが、実際は機長としてアメリカの空を飛ぶための厳格なルール・法律・航空地図の読み方などをマスターする必要があります。
覚えることが非常に多く、パイロット資格の中でも最も大変とも言われていますが、飛ぶ楽しさに支えられ、乗り越えることができました。


飛行訓練の内容と必要条件
私が訓練で使用した機体は、**Sling社のSling LSA(N864SL → 現在はN881SC)**です。
PPL取得に必要な条件は以下の通りです。
- 基礎講習:50時間
- 飛行訓練(教官同乗):50時間
- 単独飛行:10時間
- 学科講習(座学):50時間
- FAA学科試験の合格
- 航空身体検査の合格
- 最終試験(チェックライド)の合格
※これは「最低ライン」です。英語力があり、感覚が良い方ならこの時間数で取得可能ですが、私はより深い経験を積むために飛行訓練時間は100時間以上行いました。
自家用飛行機免許の種類|VFRとIFR
PPL取得後、飛行には2つのルールがあります。
VFR( Visual Flight Rule) 有視界飛行
目視で他の航空機・ビル・地形などを確認しながら飛行します。
基本的には晴れた日限定でのフライトとなり、視界が悪いと飛行できません。
IFR(Instrument Flight Rule)計器飛行証明
将来的に私が挑戦予定の資格です。
視界不良時でも計器を頼りに飛行が可能になり、雲の中や夜間でも飛べるようになります。
私が選んだ訓練校:スカイクリエーション(Sky Creation)
訓練校はロサンゼルスのロングビーチ空港にある「スカイクリエーション(Sky Creation)」を選びました。
選んだ理由は:
- ロサンゼルスは年間通じて天候が安定し、訓練に最適
- 過去の留学経験で土地勘があり、安心できた
- 日本人経営で、日本語サポートが受けられる
- 本田航空と提携しており、信頼できる
2020年4月に申し込みましたが、コロナ禍でビザ発給が止まり、渡米できたのは2020年10月。
2021年7月にPPLを取得し、2022年1月に帰国しました。

訓練に必要なビザ手続き|家族も同行OK!
アメリカで3ヶ月以上の訓練を受ける場合、**M-1ビザ(専門技術留学ビザ)**が必要です。
家族も同行する場合は、M-2ビザを取得します。
【ビザ取得手続き】
- スクールからI-20(入学許可証)を取得
- SEVIS費($350)支払い
- 米国大使館でビザ面接(同行家族も全員)
- 英文銀行残高証明書(私の場合は三菱UFJ銀行で取得)
さらに、パイロット志望者は、TSA(アメリカ運輸保安局)登録も必要になります。
※私の場合、ビザ申請代行費用は約**$2,000**かかりました。
パイロットを目指したきっかけ|ホノルル体験操縦
夢の始まりは、ホノルルでの体験操縦でした。
お世話になったのは、日本人経営の【ワシンエア】(Washi Air公式サイト)。
操縦した機体はパイパー社の「アーチャー」。
【フライトルート】
- ホノルル国際空港離陸
- ワイキキ、ハナウマ湾、カイルア、サンセットビーチ上空を飛行
- 真珠湾上空で360°旋回
- ホノルル国際空港に戻る
この体験で、空を飛ぶ楽しさに目覚め、パイロットライセンス取得を決意しました。
体験操縦費用は当時**$300**、感動のあまりチップで**$50**を渡しました。


最後に|夢は挑戦の先にある
「やってみたい!」と思ったら、年齢を理由に諦めず、小さく始めること。
私自身、40歳を超えてからパイロットへの挑戦を始めましたが、本当に良かったと思っています。
これからも、
- 実際にどんな勉強をしているか
- 教習のリアルな様子
- 費用や準備すべきこと
を、40歳パパ👨パイロットの奮闘記として発信していきます!
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