【完全版】自家用飛行機免許(Private Pilot)の合格に必要なATCの知識を、40歳になって実際に免許を取った者が徹底解説します!

Pilot Training
  1. ATC編基礎・フォニクス
    1. A
    2. B
    3. C
    4. D
    5. E
    6. F
    7. G
    8. H
    9. I
    10. J
    11. K
    12. L
    13. M
    14. N
    15. O
    16. P
    17. Q
    18. R
    19. S
    20. T
    21. U
    22. V
    23. W
    24. X
    25. Y
    26. Z
  2. ATC編基礎・ATISの聞き方とメモ
    1. ATIS
    2. ATISの内容は?
    3. ATISで主に聞いているのは?
    4. どんな内容の英語を言ってる?
  3. ATC編・地上でのコミュニケーション
    1. ATCをどうやって習得したのか?
    2. ATCの超基本、どういう順番で喋る?
    3. Ground Contact(地上のコミュニケーション)
        1. Long Beach Clearance
        2. Long Beach Ground
  4. ATC・タワーとのコミュニケーション離陸編
  5. Tower(管制塔)とのコンタクトはいつ行うのか?
    1. 離陸許可(Take off Clearance)
      1. 基本(1番簡単なやつ)
      2. 着陸する飛行機がいるから待ってて
      3. 先に出た飛行機がいなくなるまで、Line-UP and Waitして。
      4. Continue Upwind
      5. 先行の飛行機をフォローして
      6. LA River を左に曲がってください
      7. 離陸後、タワーとのコミュニケーションが終わるのはいつ?
  6. ATC・タワーとのコミュニケーション着陸編1
    1. ATC(タワーとのコミュニケーション・空港に入る場合)
    2. Downwind
      1. Signal Hillの手前で Follow the Traffic
      2. 他の飛行機がいない場合
      3. 着陸する飛行機が多いので、大回りで着陸してほしい場合
      4. 急いで着陸してほしい場合
    3. Final
      1. Go Around
      2. Make Right 360, Make left 360
    4. Landing
    5. After Landing
      1. F3の出口で一回止まって、Ground に何て言えばいいの?
  7. 管制官がいない空港でのコミュニケーション手段/Compton Airport
    1. Compton Airport(CPM)の場所は?
    2. 離陸〜Blimpまで
    3. Blimp〜Downwindに入るまで
    4. Downwind〜着陸まで
    5. 滑走路出てTaxiする時
    6. 離陸してコンプトン空港から離れる時
    7. Related Posts

ATC編基礎・フォニクス

ATC(航空無線)で管制官とコミュニケーションを取ったりするんですが、自分の乗っている飛行機の機体名を名乗ったりする際に、N881SC、N733WMってどうやって伝えると思いますか?エヌ・エイトエイトワン・エスシーとか、エヌ・セブンスリースリーダブリューエムとは言わないんです。A-Zのアルファベットの読み方が決まっています。暗記しかないので、ATC始める前にさくっと覚えてしまいましょう。

ちなみに答えから先に言うと、

N881SC → November Eight Eight One Sierra Charlie (ワンシーエラチャーリー)

N733WM → November Seven Threre Three Whiskey Mike(スリーウィスキーマイク)

一応カタカナは振っておきますが、できるだけ()内の発音で読むようにしてください。

A

Alfa (Al-Fa)アルファ

B

Bravo(Brah-Voh)ブラボー

C

Charlie(Chah-lee)チャーリー

D

Delta(Dell-tah)デルター

E

Echo(Ech-oh)エコー

F

Foxtrot(Foks-trot)フォクストロー

G

Golf(Golf)ゴルフ

H

Hotel(Hoh-tell)ホーテル

I

India(In-dee-ah)インディーアー

J

Juliett(Jew-lee-ett)ジュリエーット

K

Kilo(Key-loh)キーロー

L

Lima(Lee-mah) リーマー

M

Mike(Mike)マイク

N

Novemebr(No-vem-ber)ノーベンバー

O

Oscar(Oss-cah)オスカー

P

Papa(Pah-pah)パーパー

Q

Quebec(Keh-beck)ケーベック

R

Romeo(Row-me-oh)ローミオー

S

Sierra(See-air-rah)シーエーラー

T

Tango(Tang-go)タンゴー

U

Uniform(Yon-nee-form)ヨニフォーム

V

Victor(Vil-tah)ヴィクター

W

Whiskey(Wiss-key)ウィスキー

X

X-ray(Echs-ray)エクスレイ

Y

Yankee(Yang-key)ヤンキー

Z

Zulu( Zoo-loo)ズールー

ATC編基礎・ATISの聞き方とメモ

ATISっていう空港の現在の状況を教えてくれる無線があるんだけど、毎時データが更新されます。ちなみに録音データです。飛行機のエンジンかけてよし移動するかって前に聞きます。

ATIS

 実際に私が訓練してたカリフォルニアのロングビーチ空港(KLGB)のATISをどうやって聴くのか、解説してみましょう。この地図は勉強していくうちに全部読めるようになるので安心してください。

ATIS127.75 ってありますね。これがATISを聞く周波数になり航空機の無線機にこの番号入れるとヘッドフォンから聞こえてきます

ATISの内容は?

  • 空港名と時間
  • Ceiling、雲底 や 雲の情報 (5,000 feet 以上の場合は省かれる時があります。)
  • Visibility や Low Visibilityの理由 (Visibility が 5 Miles 以上も省かれる時があります。) 
  • 気温とDewpoint
  • 風向と風力
  • Altimeter Setting
  • 使用中のRunwayやVFRでの進入方法
  • Instrument Approach(計器進入飛行方式)
  • その他の情報、周波数、NOTAM(告知)、管制タワーからの要望
  • 管制官に伝えるATIS Code(Alfa, BravoなどATIS情報の識別、ATISを確認したと言う事を伝える時に使う。)

ATISの内容でコミュニケーションに使う(管制官に伝えるのは1個だけ)のは最後のATISコードです。毎時A-Zの順で割り振られていくので、必ずメモります。メモったほうがいいです。管制官と話始めた途端にこのATISコードが記憶から飛ぶ事多々あります(笑)慣れている教官でもあります(笑)いつ使うかは次回説明しましょう

ATISで主に聞いているのは?

本当は全部メモを取るくらいがいいんですが、事前に天候情報とかを調べたりはしているので、最終の確認に聞くという感じですね。実際私がよくメモっていたのは、

ATISコード、Altimeter Setting この2つは超重要で、次に風の情報・使ってるRWY No.の確認(風向きによってはいつもと逆側から離陸とかあります)ですね。

どんな内容の英語を言ってる?

録音データなので、録音している人によってはめちゃくちゃ聞き辛い場合もあります(私は声が低すぎてどもって聞こえないとかありました)とはいえ話す順番が決まっているので、最初は訳わからないと思いますが、何回もやってると慣れてくるので安心してください。反復しか勝てません。

「Wind 270 at 5」 → これ風の情報ですね。270度の方向から5ノットの風が吹いてるよという意味です

「Altimeter 29,98」→ 高度計に入力するAltimeterですので、数字を言われます

「Advise on initial contact that you have ”A〜Z”」 → ATISコードですね。最後のAlfaからZuluのどれかを言われます。

次回はATISを聴き終わった後に、地上に連絡してTaxiの許可を得るセリフをご案内します!

ATC編・地上でのコミュニケーション

ATCは日本人が1番苦労する項目なので、地上(GroundContact)とタワー(TowerContact)で分けて解説させてもらいます。

ATCをどうやって習得したのか?

とにかく暇な時や車の中で聴きました。LiveATCっていうサイトから生の声を聞くことができるので、ぜひ聞いてみてください。

ロングビーチのLIVEATCのリンクと聴き方説明します

Airport Detail: KLGB | LiveATC.net
LiveATC.net provides live air traffic control (ATC) broadcasts from air traffic control towers and radar facilities around the world
Live ATC Long Beach

3つありますが、Clearance Deliveryは計器飛行の内容が多いので、今は聞かなくていいと思います。

KLGB Ground:地上滑走の時のコミュニケーションです。駐機場からタクシーで滑走路まで行ったり、滑走路出て、駐機場戻る時などにコンタクトします。

KLGB Tower : 離陸待ちの飛行機のコンタクト、着陸したい時にコンタクト、空港管制内入ったらめちゃくちゃ指示飛びます。これが1番忙しいですね。

管制塔も夜は閉まってますので、現地の天候次第ですが、日本時間の早朝からお昼前くらいまでが結構流れてると思います。

実際にメモって、聞こえない時は先輩や教官に聞いたり、一語しか聞こえなかったとしてもとりあえず一語だけ伝えてみて、この単語が入るATCの想定など聞いたりとかしましたが、わかるようになってくるとどんどん楽しくなってくるので、そこを越えるまでは頑張ってみてください。

ロングビーチはデルタやサウスウェスト航空の旅客機も飛んでる空港なので、本場の無線が鍛えられるし、南側がすぐ海だから操縦訓練をしている飛行機が多い。ATCも忙しいので割り込んだり、人の無線聞いたり、とにかく鍛えられた。試験前はATC聞けば、ロングビーチのトラフィック状態が忙しいか暇なのか、耳だけでぶっちゃけわかるようになったりします。

ATCの超基本、どういう順番で喋る?

1、誰に話してるのか(呼び出し)

2、あなたは誰?(名乗る)

3、あなたはどこにいて、何をしたいの?(場所と意図を伝える)

4、指示が出る

5、指示された事をオウム返し(リピート)する

これがベースです。

はっきりとした口調で、喋る前に少し考えて、わからなかったり聞き取れなかったら聞き返したりして確実にしてください。

Ground Contact(地上のコミュニケーション)

最初はセリフをノートに書いといて、そのまま棒読みしてました。何回かやってるとスラスラ喋れるようになります。最後の方はかっこよく喋ろうという洒落心が生まれてくるでしょう(笑)

ここでは代表的な例文のセリフを書いて、このセリフ、聞いたなー、使ったなーというものをリストアップしておこうと思います。飛行機の機材は私が訓練してた、Slingというメーカーで機番がN881SCに乗ってる仮定で書きたいと思います。

Sling N881SC
Long Beach Clearance

1、誰に話してるのか(呼び出し): Long Beach Clearance

2、あなたは誰?(名乗る)Sling 881SC

3、あなたはどこにいて、何をしたいの?(場所と意図を伝える) at White Buffalo. Request Taxi 26L(26 Left)

4、指示が出る:Sling 881SC Contact Ground

5、指示された事をオウム返し(リピート)する: Contact Ground 1SC

8割くらいこのパターンです。残り2割、忙しい時に話しかけたりすると、4番目でStand By(待ってて)と言われて、少し待ってるとGo ahead と言われ、もう1回1〜3を喋るというパターンがあります。

※White Buffalo(ホワイトバッファロー)、フライトスクールが入っているビルの名前です。

※26L:26Lの滑走路

1-3は一気に喋ります。

ロングビーチクリアラーンス、スリングエイトエイトワン・シエーラチャーリー アット ホワイトバッファーロー・・1秒くらい間を置いて・・リクエスト タクシー トゥーシックスレフト と言ってください。

カタカナで書くと微妙ですが、

ロングビーチのクリアランスさん、WhiteBuffaloにいるSling881SCなんだけど、26Lの滑走路にタクシーをしたいです。

という意味になります。

そうすると、スリングエイトエイトワン・シエーラチャーリー コンタクトグラーウンド と言われますので、

コンタクトグラーウンド ワンシエラチャーリー。

リピートの時だけ、機体番号の下三桁だけ言います(全部言っても間違いではありません)

グラウンドに連絡してーと言われたので、グラウンドの無線の周波数に繋ぎます。

で、重要な事を一個忘れてます。なぜあえて忘れたかというと、最初の頃は無線で話すのが必死で忘れる項目だからです。それは、

ATISで聞いた、ATISコード(AlfaからZuluのどれか)を伝える必要があります

どこに付け加えるかというと、

3、あなたはどこにいて、何をしたいの?(場所と意図を伝える) at White Buffalo. Request Taxi 26L(26 Left)With ○○(ATISコード)

これで事前準備はバッチリだと思うので、実践あるのみです。

Long Beach Ground

Groundに連絡ですね。ベースは一緒です。今回はカタカナは省略して見やすいようにしようと思います。

あなた : Long Beach Ground, Sling 881SC at White Buffalo, Request Taxi 26Left

Ground:Taxi 26left via Foxtrot

あなた:Taxi 26 let via Foxtrot, 1SC

あなた:グラウンドさん、Sling881SCでWhiteBuffaloにいます。26Lのタクシーをしたいです。

Ground:26LへのTaxiを許可します。Foxtrot経由で。

あなた:26LへTaxiします。Foxtrot経由で。

1番スムーズなパターンですね。最後はリピートして自分の機体名(下三桁)で〆ます。これで26Lの滑走路へ地上滑走(Taxi)することができます。つまりTaxiwayに入ることができるようになったわけですね。許可が必要なんだなということがわかってくれたと思います。

ここでFoxtrot という単語が出てきましたが、TaxiwayにFという道があるので、F(エフ)とは言わず、Foxtrot(フォクストロー)と言っているわけです。簡単な地図をあげておきましょう。

赤い丸がWhite Buffaloのビルです。Taxiway Foxtrotは赤い矢印でRunUpに向かいます(エンジンの最終チェックを行う)RunUpが終わったらすぐ上のF1のところに行って、今度はタワーの管制官へ連絡をするという流れになります。

26Lの滑走路が四角になります。

Long Beah Airport Diagram

グラウンドとの連絡でよく聞いたフレーズをあげていこうと思います

ex)FoxtrorのTaxiwayって広いので、対面通行できるんですよね。その場合は指示が出ます。

Taxi 26L via Right side of Foxtrot(右側通行してね)

ex)先にTaxiwayに入ってる機体がいて、その次に続いてとか、左側から来てる飛行機を先に行かせたあと行ってみたいな指示がありますね

Follow traffic from left とかGive a way your left traffic ですかね。Trafficっていうのは他機のことをいうのでよく出ます。覚えておきましょう。

次はタワーとのコミュニケーションについて見ていきましょう!

ATC・タワーとのコミュニケーション離陸編

Tower(管制塔)とのコンタクトはいつ行うのか?

実際の音声を聞いてみたい方へLiveATCのURLを掲載します。

Airport Detail: KLGB | LiveATC.net
LiveATC.net provides live air traffic control (ATC) broadcasts from air traffic control towers and radar facilities around the world

緑色の「LISTEN」を押すとブラウザでプレイヤーが立ち上がって聴けるようになります。時差があるので、日本時間の午前中をお勧めします。

地上編で説明しましたが、エンジンのRUN-UP(最終チェック)が終わったら、いよいよ滑走路の目の前のHold Short Lineの前まで移動できます。この際はグラウンドへのコンタクトは必要ありません。

おさらいですが、Towerへのコンタクトは、 離陸待ちの飛行機、着陸したい飛行機、空港管制内入って離着陸のタッチ&ゴーの訓練をしている飛行機へ指示飛びます。タワーが1番忙しいと思います。

タワーとのコンタクトを状況別で纏めてみました

離陸許可(Take off Clearance)

基本(1番簡単なやつ)

あなた : Long Beach Tower, Sling 881SC, holding short 26Left, Request Left Standard departure

Tower:Sling 881SC, Runway 26left , cleard for take off, left standard deperture approve.

あなた:26L cleard for take off 1SC.

あなた:タワーさん、881SCで、26Lのホールドショートにいます。レフトスタンダードデパーチャーをリクエストします。

タワー:881SC、26Lの離陸を許可します。レフトスタンダードデパーチャーを許可です

あなた:26L離陸許可です。1SC

ここで出てくるLeft Standard Depertureですが、ロングビーチ空港特有の言い回しになります。離陸してどっちの方向行くのかによってリクエストを変える感じです。まっすぐ出たい場合は、Straight Out Depertureをリクエストします。訓練エリアに行くのには①のLeft Standardが1番早いので、訓練生は最初このリクエストが多くなると思います

LongBeach airport deperture procedure

実際の地図を見て見ましょう。

Left Standard Deperture だと訓練エリアで使う、POINT FERMINやANGELS GATEへの近道なので、この出発方法をリクエストしているということです。

着陸する飛行機がいるから待ってて

着陸してくる飛行機がいるので、言われるフレーズは、

Hold short 26L か Stand By ですかね。

先に出た飛行機がいなくなるまで、Line-UP and Waitして。

Line-Up and Waitは、滑走路に侵入して離陸態勢整えて待っててね。まだ離陸はしちゃダメよ。Clead For takeoffっていうまで待っててねという意味合いになります。写真のような状態ですね。ドキドキしますよー。前の飛行機との間を開けたりする時に言われますかね。

Continue Upwind

Upwind , Cross wind , Down wind, Base , Final は解説しないといけないですね。Upwindは離陸していいけど、左に曲がるのはだめ、そのまま真っ直ぐ飛んでくださいという意味です。曲がろうとする方向から(海側)空港に戻ってきてるトラフィックがいるのかなーとか想像できたりします。

先行の飛行機をフォローして

前の飛行機が、訓練機で海上の訓練エリアに向かう時などは、Follow the trafficと言われますね。ある程度の距離を持って、前の飛行機をフォローするパターンがあります

LA River を左に曲がってください

最初全く聞き取れませんでした。ロングビーチ空港は26Lから出発すると、LAリバー(フリーウェイ710)が見えます。それを左に曲がって海上に出てくださいっていうことがあります(下記地図参照)

Turn crosswind at LA river と言われます。

LA Riverを曲がるやつ

離陸後、タワーとのコミュニケーションが終わるのはいつ?

AirSpace(空域)の勉強でも出てきますが、ロングビーチ空港はクラスDのエアースペースになり、管制の責任エリアは、地図上の点線エリア内になります(赤で囲います)。このエリアを出ようとするとき、タワーからは、周波数をうち(タワー)に合わさなくていいよ!と言われます。何て言われるかというと、

Tower : Frequency Change Approved (周波数を変えることを許可します)

あなた:そのままFrequency Change Approvedと回答してもいいし、離陸後でバタバタしてる場合は、機体名の下三桁 1SC と言ってもいいそうです。

LGB Class D Area

以上が離陸の際のコミュニケーションとなります。

次は着陸する際のタワーとのコンタクトについて見ていきましょう

ATC・タワーとのコミュニケーション着陸編1

続いては、ロングビーチ空港の空域を出て、訓練をした後、訓練校に帰る場合の、訓練エリア→ロングビーチ空港のDownWindに入るまでの基本無線の例を紹介したいと思います

ATC(タワーとのコミュニケーション・空港に入る場合)

海上の訓練エリアとロングビーチ空港の地図を見ながら解説していきます。

LGB Prcatice Area

海上に出て、さあ戻るかってなった時に1番最初に手に入れなきゃいけない情報があります。

ATIS情報ですね。着陸に使用してる滑走路の確認・風向きと強さ・ATISコード(Alfa〜Zulu)をメモります(慣れるとメモらなくなってきてしまうのですが、最終試験時はメモする必要があるので慣れておいたほうがいいと思います)

ロングビーチ空港の周りを囲む青い点線に入る前に、管制塔とのコミュニーションを成立させる必要があるので、だいたい赤の旗の立ってるチェックポイント(ANGELS GATEとかQUEENS GATE)の上空になったら、無線開始です。最も基本的なテンプレートは

Long Beach Tower , Sling 881SC over Angels gate at 2,000, Request 26Left with (ATIS CODE) ですかね。

2,000は高度になります。上空では場所と高度をいいます。26Lの滑走路をリクエストします。ATISコードはFoxtrotです。みたいな感じですね。

そうすると、タワーの人が

Sling 881SC, Long beach tower, Make left traffic RWY 26Left

最後にReport Signal Hill とか言われたりします。

※ここで自分の機体名を言ってもらえた時点でコミュニケーション成立の意味になります

解説してみましょう

Sling881SC,ロングビーチタワーだけど、26Leftの左Downwindに入ってねー という意味です。Report Signal Hillは シグナルヒルに着いたらレポートしてねーという事になります。シグナルヒルはロングビーチ空港の南にある小さい住宅街の丘で目印になってます。そこに着いたら、Long beach Tower, Sling 881SC at Signal Hill. これだけです。レポートしてねと言われていたのでレポートするだけなので、タワーからの返事は、Continue(そのまま続けて)、Thanks とかRoger(ラジャー)だけだったりします。

これでちょうど、26Lの滑走路のLeft DownWindに入ります。Downwindから着陸までは無線が連続的に短い間で発生します。

Downwind

訓練エリアから26LのDownWind に入る手前〜着陸するまでの無線の基本を紹介します。

ロングビーチの海上から、SignalHillを超えると、DownWindの道に高度1,000Feetで入ります。(道はないが、道があると思ってください)DownWindに入って、着陸するまでどういうコミュニケーションをしているのか前編と分けさせて頂きました。

Signal Hillについては前編で説明しましたが、DownWindの南西にある小高い住宅街の丘があり、そこがポイント(目印)になってタワーから指示される事が多いと書きました。

Signal Hillの手前で Follow the Traffic

Signal Hilが近づいてきた時点で、こんな感じで言われます。

Sling 881SC, Traffic 10o”clock Cessna, Follow the traffic, Report in sight.

Sling 881SCさん、トラフィックが10時の方向にいるので、その機をフォローしてください。視認したらレポートしてください

という感じです。離着陸の訓練をしている飛行機は、上記図をひたすらグルグル回ってますので、スムーズに間を空けて合流できるのがベストなんですよね。時計の10が書いてある数字の方角、つまり北西にセスナがいるから見つけて、それに続いてください。セスナが確認できたらレポートしてくださいという感じです。よくあります。セスナは、チェロキーという機種だったり、ダイヤモンド、シーラスなど他の飛行機メーカーの名前も出てきますので、最初は教官に聞きながら覚えていけばいいと思います。

他の飛行機がいない場合

これはもうスイスイで、DownWindからBaseを曲がって、Finalを曲がってという王道の着陸パターンで着陸する感じですね。DownWindを飛行している最中に言われます

Sling 881SC , 26Left Cleared for the option(Cleared for land) you are number 1.

Sling881SC さん、26Lの着陸を許可します。あなたが1番目です。

着陸しようとしている飛行機は自分以外にはいないという事になりますね。着陸許可がこの時点で出されたら、着陸の作業に集中できます。Optionというのは着陸してそのまま止まってもいいし、タッチ&ゴーしてもいいし、ゴーアラウンドしてもよい幅広い意味で使われます。訓練機が多いからだと思います。

着陸する飛行機が多いので、大回りで着陸してほしい場合

着陸しようとしている飛行機が多い場合は、間隔をあけながら、着陸する必要が出てきます。その場合の指示は、

Sling 881SC, Turn base over 605

605のフリーウェイでBaseを曲がってください(左に曲がってください)BaseLegは1番上の図を参考にしてください。

Base を曲がってファイナルくらいで、Sling 881SC, 26Left Clear for Land Nuber 3とか言われますかね。着陸許可が出て、前に2機トラフィックが見えてるはずです。1機は着陸寸前、もう1機は自分より少し低高度で前飛んでるので見えると思います。

実際の地図で見るとこんな感じです。右の赤丸が605というフリーウェイになってます。飛んでるとすぐわかる目標物なので、このようにATCの無線でも目印として使われる事が多いんです。

急いで着陸してほしい場合

普通に着陸しようとすると、他トラフィックとのタイミングが重なってしまい都合が悪い時に、急いでショートカットで着陸しちゃってという場合があります。この場合、

Sling 881SC, Direct number / Make short approach

Sling881SC さん、ナンバー(滑走路ナンバー)に直接向かって/ 短い距離でアプローチして

と言われますので、訓練生でソロフライトの場合はUnable(できません)と回答すればいいですが、教官と同乗してたら試しにやってみるといいと思います。慣れてくるとやった近道!早く着陸できるーと喜ばしい指示になりますね。

Final

FINALに入った時に想定しておくシチュエーションが2つあるので解説します。

ファイナルに入ると、高度も500Feet前後になってきて、フラップも下ろして着陸態勢を取っている時だと思いますが、その時に言われる可能性があるATCからの指示をあげます。

Go Around

ゴーアラウンドですね、着陸許可(Clear for Land)出てても、これ言われたらGo Aroundです。パワーを入れてフラップあげて1,000Feetまで上昇です。

Tower :Sling 881SC, Go around.

You:Go around 1SC

Go Around した後に、すぐ次の指示が来るパターンが多いのですが、この言葉よく出てくるので覚えておくといいでしょう。

Cross Wind your discretion

あなたの裁量でCross Wind 曲がってという意味です。こう言われたら自分で決めていいとのことなのでフライトが安定したらCrossWindのターンをしてOKということになります。

Discretion(あなたの裁量で決めてね)よく出てきます。私は知らなかったので、言われた後Say Again?と聞き返したら、Turning Cross Windと指示をくれました(苦笑)

Make Right 360, Make left 360

私はこれ1回くらいしかないのですが、ちょうど降下をはじめようかというくらいの時に、

360度右に旋回してください、360度左に旋回してくださいという意味ですね。言われた場所を起点に360度右か左にぐるーっと回ってあげます。

前にトラフィックがいて、もう少し間隔をあけてもらいたい時に言われるはずです。

Right/Left 360

Landing

最終的なOKサインは、ATCから、Sling881SC, Runway26L Cleard to Land というのが聞こえて着陸という事になるので、これが聞けるまでは安心しないようにしましょう。

無事に着陸に成功した後、どうするの? → なるべく早く滑走路から離脱してあげる必要があります。

RWYから完全に出るまでは、他機は離陸も着陸もできません。着陸した後はなるべく早く出口から出るようにしましょう。タワーからも無線指示が出る時もあります。

After Landing

着陸すると忙しくない時は、タワーからこのように指示が出ます

Sling 881SC , Turn left at Foxtrot3, contact ground.

Sling881SC、F3の出口を左に曲がって地上(グラウンド)にコンタクトしてください

26Lの出口は下記のように、F2,F3,F4などあります

After Landing

F2はランディング後すぐなので、だいたいF3かF4から離脱する事になると思います。タワーからはF3かF4で出てねと言われる場合もあります。忙しすぎる時は上記指示は出ないので、最短の出口から離脱して、タワーの無線の周波数からGroundの無線の周波数に変えてしまってOKです。

F3の出口で一回止まって、Ground に何て言えばいいの?

・もう1回離着陸の練習をしたいので、F1のHold Short まで行きたい場合

Long Beach Ground, Sling 881 SC at Foxtrot 3, Request Taxi 26Left

でOKです。

・White Buffalo(訓練校のあるビル名)まで帰りたい場合

Long Beach Ground , Sling 881SC at Foxtorot3, Request taxi White Buffalo.

Ground : Sling 881SC, Taxi White buffalo via Foxtorot (FのTaxiwayでWhiteBuffaloにタクシーしなさい)

呼び出す、名乗る、今いる場所、何したい の順ですね!

以上でATCの流れを説明しました。質問があればコメントしてくださいね!

管制官がいない空港でのコミュニケーション手段/Compton Airport

ソロフライトが終わり、次はいよいよクロスカントリーの過程に入るのですが、いきなり遠出するのではなく近場の空港で管制官のいないノンタワー空港に行ってみようとなるのですが、ロングビーチ空港の近くにコンプトン空港( Compton Airport)という滑走路が2本ある空港があります。ノンタワー空港は、共通周波数に合わせて自分で独り言のように発信をする無線になりますので、そのやり方を簡単に説明したいと思います

Compton Airport(CPM)の場所は?

ロングビーチ空港の北西にあります。赤い矢印はロングビーチ空港を出発してからの空路の目安です。

Compton Airport

コンプトン空港上空から見るとこんな感じです。ロングビーチ空港に比べて滑走路の幅も狭いし、距離も短いので最初行った時は、着陸できるのか不安でした。

コンプトン空港

離陸〜Blimpまで

まずはロングビーチ空港から離陸します。

Long Beach Tower, Sling 881SC Holding short of 26L, Request Straight out departure.

Straight out departure を使います。離陸したら真っ直ぐ進むよって事ですね。

離陸して少しすると、ロングビーチタワーから周波数の変更を許可しますと言われるので、言われたら、コンプトン空港のATIS情報を取ります。ノンタワーの場合はAWOSというのですが、ATISと同じような内容なので、ここでは説明を割愛します。ちなみにATISコードは出てきません。風向きや強さなどを確認します。周波数は127.15になります。

Compton Airport Map

その間操縦もしますが、405というフリーウェイ沿いに進んでいくと、Good Year (タイヤ)の飛行線の離着陸空港があるので、そこを目指します。”Blimp”ブリンプという名前で無線上は通じます。

Blimp〜Downwindに入るまで

Blimpに入る前くらいに、CTAFというコンプトン空港を使いたい人が合わせる周波数が決められているので、123.05 と合わせ、北東方向に旋回し、45度でダウンウィンドに入ります。Blimpの時に発信する無線がこちらです。他機も訓練している時があるので、しっかり無線を聞いて相手が発信して今どこにいるのかを聞いて、視認するようにしてください。

Compton traffic, Sling881SC over Blimp at 1,500feet, entering 45 left downwind 25L Compton

タワーではないので、ノンタワーの時は”traffic”と呼び出します。25LのDownWindに45度で入ります。最後にComptonともう1回言います(Compton trafficの略です)

これでそのまま進んでいって、DownWindに入るくらいの時に再度独り言発信です

Downwind〜着陸まで

・Downwindに入った時

Compton traffic, Sling 881SC on downwind 25L, Compton

・Baseを曲がる時

Compton traffic, Sling 881SC turning base(entering base) 25L, Compton

・Finalに入る時

Compton traffic, Sling 881SC turning final(entering final) 25L, Compton

これで着陸まで集中します。

滑走路出てTaxiする時

Rwyから出たら”Clear”という言葉で離脱したという事をアナウンスします

Compton traffic, Sling 881SC, clear runway 25L, taxi to parking(Taxi back 25L)

離陸してコンプトン空港から離れる時

トラフィックが、いないかしっかりと視認した後に、離陸する旨をアナウンスします。”Taking”という言葉を使います。

Compton traffic, Sling 881SC, taking runway 25L, Left crosswind departure, Compton

RWY25Lを占有します、leftCrosswind departureですのでよろしく!みたいな感じですね。Left Cross wind departureの後に目的地のLong Beachと言っても大丈夫です。とにかくノンタワーでは自分のいる場所ややる事を念仏のように発信する事が大事です。ベテランの人がうまく譲ってくれたり間隔あけてくれたりするのを期待していいでしょう。

Follow me!

コメント

PAGE TOP
error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました